「学校歯科医生涯研修制度」 基礎研修、更新研修の開催
福岡県学校歯科医会主催の「学校歯科医生涯研修制度」基礎研修併催 学校歯科医新任研修会・更新研修が、令和5年2月4日(土)14時~18時40分の予定で、福岡県歯科医師会館5階大ホールにて開催した。
初めに福岡県学校歯科医会 菅常務理事司会進行のもと基礎研修が行われた。
◯研修1「学校歯科保健の概念を把握する」
福岡県学校歯科医会 平瀬会長により研修が行われた。
・学校教育の目的と理念について
・学校保健の中の学校歯科保健の位置付けについて
・学校歯科医の学校歯科保健における役割について
・学校保健計画について
また、学校歯科保健活動においては、学校歯科医は、歯科医師であると同時に学校での「健康教育の先生」という自覚をもって、これからの保健活動・保健指導に従事していただきたいと語られた。
◯研修2「学校歯科保健における保健教育を理解する」
福岡県教育庁教育振興部体育スポーツ健康課保健給食係指導主事 坂田祐也先生により研修が行われた。
・保健教育の領域と構造(内容)について
・子供の発達段階に即した学校歯科保健教育のねらいや内容について
・学校における歯科保健教育の内容について
・健康診断の事後措置としての歯科保健教育について
◯研修3「学校歯科保健における保健管理を理解する」
福岡県学校歯科医会 安藤理事により研修が行われた。
・定期健康診断の意義について
・就学時健康診断及び臨時健康診断の意義について
・歯・口腔の健康診断について
・保健調査の意義について
・健康診断の基準について
・健康診断の事後措置の意義について
・健康相談の意義について
・保健指導の意義について
・健康診断結果の分析と評価を行い健康課題への対応計画について
・学校管理下の傷害について、学校保健安全法に基づく医療券について
CO、CO要相談については、COは保健指導・保健学習の対象である事。CO要相談は治療勧告の対象である事。その違いについてしっかり理解する必要があると解説された。COはすぐに削る対象にしないで、保健学習・保健教育の教材として活用する事。歯・口腔の健康の大切さ・重要性を学ばせ、自らの健康は自立的に管理・維持出来るように教育することが大切であると説明された。
GとGOに関しても同様であり、Gは治療勧告の対象であり、GOは、教育的立場から保健指導・保健学習・丁寧なブラッシング指導によって健康側に引き戻すことが可能な対象であると解説された。
◯研修4「学校歯科保健における組織活動を理解する」
福岡県学校歯科医会 入江理事により研修が行われた。
・教職員の組織、協力体制及び校内研修の重要性について
・家庭及びPTAとの連携のあり方について
・地域の関係機関・団体との連携及び学校間の連携のあり方について
・学校歯科医とかかりつけ歯科医との連携のあり方について
・学校保健委員会・地域学校保健委員会について
更新研修は17時15分から開催され「教育関連法規の理解と改訂のポイントについて」福岡県学校歯科医会 加来常務理事から解説があった。
・新学習指導要領:育成すべき資質・能力の三つの柱「学びに向かう力・人間性等」「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」を活用した自律的な健康管理をする能力を育成する。
・第二次(三次)学校安全の推進に関する計画:全ての児童生徒が、自ら適切に判断し、主体的に行動できるように安全に関する資質・能力を身に付けることを目標とする。
・第三次(四次)食育推進基本計画:国民の健全な食生活の実現と、環境や食文化を意識した持続可能な社会の実現のために、多様な関係者が相互の理解を深め連携・協議し、国民運動として食育を推進すること。学校歯科医の立場からは、口腔機能が十分に発達し維持されることを目標とする。
・第二期(三期)スポーツ基本計画:学校体育をはじめ子供のスポーツ機会の充実による運動習慣の確立と体力の向上を目標として、学校歯科医の立場からは、マウスガードの着用の効果の普及啓発を目標とする。
講演後、最後に令和3年度学校保健統計速報値についても触れられ、福岡県学校歯科医会が作成している統計調査のデータを活用して、先生方の担当している学校の保健指導・学習に役立てるよう述べられた。
各研修終了後、受講者には受講修了証が配布され、閉会となった。参加人数は、基礎研修が30名、更新研修が128名であった。
この研修が先生方の今後の学校歯科保健活動のお役に立てれば幸いです。