歯科健診について
回答者 河東西学校 学校歯科医 入江 祐彰
【答え】COとは要観察歯のことで、初期のむし歯の兆候がみられる状態の歯です。適切な指導と観察によってむし歯が進行するのを防いだり、改善が期待できます。学習や専門医から正しい歯みがきの仕方を身に着け、食生活習慣の見直しも必要です。さらに、フッ化物の利用も効果があります。
【答え】 GOとは歯周疾患要観察者のことで、歯ぐきに腫れや赤みなどの軽度の炎症がみられる状態ですが、正しく歯みがきを行い、みがき残しをなくすことで改善されて炎症症候が消退するような歯肉の保有者をいいます。今は上手に歯みがきが出来ていないと考えられますので、COの措置と同じく、適切な指導を学習や専門医から学び観察していくことが必要です。
【答え】歯列・咬合の要観察とは歯並びや噛み合わせに軽度の不正咬合がありますが、家庭や学校での生活を送るに当たり支障があるかどうか経過観察が必要な状態です。
将来、口腔の健康、全身の健康にとって、どのようなリスクが考えられるかを学習し、認識させることが大切で、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすと考えられる習慣や癖を直し、より丁寧な歯みがきが必要となってきます。また、矯正治療が必要になることもありますので、歯科医院で定期的な健診を受けるとよいでしょう。
【答え】要注意乳歯とは、抜歯をした方がよいかどうかの判断が必要な乳歯のことです。そのままにしておくと永久歯の歯並びが悪くなったり、隣の歯がむし歯になったり、食事がしづらくなったりすることがあります。歯の状態や年齢、治療に対する協力度などメリット・デメリットを慎重に考慮した上で総合的な判断が必要となってきますので、歯科医院で相談されるとよいでしょう。
【答え】癒合歯とは、歯が作られる過程で本来2本の歯が結合して1本になった歯のことです。乳歯が癒合歯の場合、生え変わりの時に癒合歯の吸収が遅く抜歯が必要になったり、生え変わるはずの永久歯が生まれつき作られずに将来、歯並びや噛み合わせに問題が生じることがあります。むし歯にもなりやすいので、歯科医院で定期的に健診を受けるとよいでしょう。
【答え】先天性欠損とは、生まれつき歯が作られずに正常よりも歯の本数が少ない状態のことです。生え変わるはずの永久歯が作られないと、乳歯が吸収されずに残ったままになることがありますが、永久歯ほどの耐久性や大きさはありません。歯と歯の間に隙間が出来るなど歯並びや噛み合わせに問題が生じることがありますので、歯科医院で相談されるとよいでしょう。
【答え】歯並びやかみ合わせが悪いと、むし歯や歯周病に罹りやすくなったり、食べることや話すこと、呼吸や体のバランスにも悪影響を及ぼすこともあります。
歯並びやかみ合わせの異常には様々なタイプがあり、体の発達や症状の程度によって対応が異なります。ただし、歯並びやかみ合わせを治すための歯科矯正治療は通常、保険適応外の治療となり、矯正歯科医が在籍していない歯科医院では専門医に紹介することもあります。 健康診断結果の内容でわからない点があったり、受診を希望される場合には、まずは養護の先生など学校に相談してみましょう。
生活習慣、食べ物について
回答者 港が丘小学校 学校歯科医 加塩 大輔
【答え】3歳を過ぎると歯並び、噛み合わせに影響がでるので、やめさせるほうが良いでしょう。
4、5歳を過ぎても続くようなら、歯科医院で相談されるとよいでしょう。
【答え】「生活のリズム」と「体内リズム」のズレを修正し、寝ている間に使われて足りなくなったエネルギー源(ブドウ糖)を補給します。
【答え】一人での食事。好きなものばかりを食べがちで、栄養に偏りがおこります。
【答え】食べても問題はありませんが、ダラダラ食べてはいけません。
【答え】顎の発育を促し、味覚を発達させます。 唾液の分泌も増し、消化を助けます。
さらに、脳の活性化、肥満予防の効果もあります。
【答え】スポーツドリンクは経口補水液と比べ塩分が少なく、糖分が多くなっています。
経口補水液の方が、素早く体内に補給されます。
歯みがき、むし歯予防について
回答者 南小倉中学校 学校歯科医 山地 将太
【答え】 子どもの歯ブラシについては、口の中の大きさも成長により大きく変化していきます。年齢や口の大きさによって適切な歯ブラシのサイズのものを使用しましょう。
【答え】歯みがき粉は使った方が良いでしょう。歯みがき粉に含まれるフッ化物はむし歯の予防に高い効果が期待できます。使用に際しては、年齢により適切なフッ化物濃度や使用量を守ることも重要です。
【答え】フッ化物が歯の表面に接することでエナメル質が酸に強い結晶に変化し、むし歯を予防する効果があります。
また、むし歯になりかけの歯に対して再石灰化作用による修復も期待できます。
【答え】理想的には毎食後に歯みがきをした方が良いです。また、お口の中の状態は十人十色なので一人一人にあった歯みがき方法を歯科医院で教えてもらいましょう。
【答え】子どもの歯が萌出してからは、スキンシップの意味も込めて仕上げみがきをはじめます。フッ化物が含まれた歯みがき粉もこの時期にはじめますが、年齢にあった濃度、一回での使用量には気をつけましょう。
歯みがきが上手になってきたら徐々に回数を減らし、小学校高学年までには自分だけでみがけるようにがんばりましょう。どうしてもみがくのが苦手な子もいます。そのような場合は、補助的に仕上げみがきは続けましょう。
【答え】歯には細かな溝があり、歯ブラシではなかなか汚れが取れません。この様な場所はむし歯になりやすい部分です。
シーラントはこの溝を樹脂で埋める事で汚れが溜まることを防止し、むし歯の予防に効果があ ります。
【答え】歯みがき粉に含まれているフッ化物は、何回もうがいをすると濃度が薄くなってしまい、むし歯予防の効果が低下してしまいます。うがいをしない、もしくは軽くゆすぐ程度にとどめ、歯みがき後すぐに飲食をしないことも重要です。
【答え】歯の表面のエナメル質は本来硬くてツルツルしています。この状態では汚れは着きにくいので色素沈着はしにくいです。むし歯になるとこのツルツルのエナメル質が溶かされ、柔らかくなった歯に色々な色素が沈着してむし歯は黒くなってしまいます。
歯や口のけがについて
回答者 宇美中学校・井野小学校 学校歯科医 髙橋 眞一
【答え】ころんで打った時の衝撃で歯の中の神経が死んでしまっている可能性があり、そのままにしておくと、変色だけでなく痛み出したりする可能性もあります。
早めに歯科医院を受診しましょう。
【答え】折れた歯・抜けた歯に関しては、まだお口の中に戻せる可能性があります。
捨てたりせずに、それを持ってできるだけ早く歯科医院を受診してください。
その時の注意点としては、決して消毒したりせずに軽く水洗いをし、下記のようなものに入れてご持参ください。
・ミルク(約6時間)
・唾液(約2時間)
・生理食塩水(約1時間)
・専用の保存液[ティースキーパーネオなど](約24時間) ※( )は保存可能な時間の目安
【答え】ドラッグストアなどで歯ぎしり防止目的のような既製品のマウスピースは売られていますが、スポーツ用という事になると、きちんと型取りをして、オーダーメイドで作製する必要があります。
もちろん歯科医院で作れますので、来院回数や金額等も含めて歯科医院にご相談ください。
その他
回答者 雷山小学校 学校歯科医 山﨑 浩史
【答え】歯が黒く着色している原因については、むし歯、色素沈着、歯の神経がダメージを受けている場合などが考えられます。歯科医院で診察してもらいましょう。
【答え】 口臭の原因は歯肉炎、むし歯などが考えられます。歯科医院で診察てもらい、口の中の原因かどうか調べてもらいましょう。
【答え】 子どもの歯ぎしりは生理的な現象と言われています。歯の萌出にともなって、噛み合わせや顎の位置などを合わせ噛みやすい位置をつかもうとしている状態なので、成長の一環と考え心配しすぎないことも大切です。また、ストレスの影響も考えられます。歯ぎしりやくいしばりがひどい場合は歯科医院にご相談下さい。マウスピースなどで改善する場合もあります。
【答え】不登校の子どもたちの健康上のリスクは、学校に通っている子どもたちよりも高いと言われています。不登校であっても子どもたちが健康診断を受けることが出来る環境づくりは大切です。担任の先生や養護教諭、担当の学校医、学校歯科医と話し合い、学校以外の場所での健診も考慮し、出来るだけ健康診断を受けましょう。
【答え】歯科を怖がってしまうのは、小児期の治療によることが多いとされています。治療そのもの、歯科医師、痛み、音など様々なものに恐怖を感じ治療が困難な場合があります。子どもや歯科医とよく話し合い信頼関係を築くことが重要です。
むし歯の状態によっては大学病院へ紹介されることもあります。
子どもの気持ちを理解し、焦らないことも大切です。
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